歯科医院開業の成功に欠かせない物件選びのポイント その1
歯科医院開業の鍵!成功へ導く物件選びのポイント
歯科医院を開業する際には、物件選びが重要なポイントです。
物件の選択には、テナント、集合医療施設テナント(医療モールや医療ビレッジ、医療ビル)、自己所有(土地を購入してクリニックを建設する)の3つの選択肢があります。
それぞれには固有のリスクや注意点が存在します。
今日は、テナントを借りる際に気を付けるべき注意点とリスクについてお話ししたいと思います。
テナントを借りる場合のリスクと注意点
まず、テナントを借りる場合のリスクについて考えましょう。
人の往来の多い商業ビル内にテナントがある場合、一般的には確実な集患が期待できます。
1.望ましくない業種が入居していないかチェック
しかし、同じフロアや隣接したフロアに、クリニックにとって望ましくない業種が入居していると、集患に大きな影響を及ぼす可能性があります。
望ましくない業種としては、学習塾や飲食店、消費者金融、BARやクラブ、パチンコ店などがあります。
事前にテナントの入居状況を確認するだけでなく、テナント契約書に将来的にも望ましくない業種を入居させない旨をビルオーナーとの間で合意し、賃貸借契約書に特約事項として明記することが望ましいです。
特約事項が記載できない場合は、フロア数の少ないビルを選ぶといった自衛策も考慮しましょう。
例えば、8階建てではなく4階建てのビルや、ワンフロアあたりの面積が大きいビルではなく、フロア面積が小さく1テナントしか入居できないようなビルを選ぶことも有効です。
2.広告や宣伝の制限に注意
テナントには市町村の条例やビル独自のルールにより、広告や宣伝に制限が課される場合もあります。
看板掲載が不可なテナントで開業する場合、初めて訪れる患者にとって目印がなく、どう行けば良いのか分からない人も出てくるかもしれません。
その結果、利便性や視認性という点で明らかなマイナスとなり、集患に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、広告宣伝に関する制限がないかを忘れずにチェックしましょう。
3.定期借地契約に注意
物件の賃貸借契約形態には定期借地契約が存在することにも注意が必要です。
定期借地契約では、賃貸借契約期間が10年以下に設定されている場合が少なくありません。
しかし、設備資金においては法定耐用年数に満たないため、減価償却も全期間できず、大きな損失が生じる可能性があります。
また、将来的にクリニックの医療法人化を予定している場合には、契約形態が困難となるケースもあります。
これらのリスクを回避するためには、契約期間が最低でも15年以上となるように交渉し、契約を取り交わすことが重要です。
また、定期借地契約では借主の都合で中途解約する場合には、残存期間の賃料全額を支払う必要があるため、契約期間を長期にすることで患者の集まりが悪くなり、やむを得ず廃院する場合やある程度高齢になってから開業する場合にもリスクが生じないように注意が必要です。
物件選びは歯科開業の成功において重要な要素です。
テナント選びにおいては
・業種や隣接するテナントの影響を考慮
・ビルオーナーとの契約内容について細心の注意を払う
・広告制限や契約期間などのポイントも見逃さずに確認
・将来的な展望にも配慮した選択を行うこと
これらが成功への近道となります。