歯科開業をお考えの際には、立地選びが非常に重要なポイントです。
適切な立地を選ぶためには慎重なリサーチが必要です。
なぜなら、間違った立地選びが原因で患者さんが来ず、経営が苦しくなるケースがあるからです。
開業失敗のエピソード
30代の勤務医の方が開業を考え、物件探しを始めました。
その中で「居抜き物件」という選択肢に出会いました。
居抜き物件は以前に歯科医院が入っていた物件で、内装や機材などがそのまま引き継げる特長があります。
初期投資が抑えられるため、魅力的な選択肢となります。
また、大規模な工事が不要なため、短期間でオープンできる利点もあります。
先生は開業資金に不安があったため、この居抜き物件での開業を即決しました。
物件はターミナル駅から近く、周囲も人通りが多かったため、期待が高まりました。
しかし、オープン後ほとんどの患者さんが来ませんでした。
近隣の歯科医院が日曜日も開院していたため、急患はある程度見込めましたが、平日は患者がゼロの日もありました。
開業費用は最低限で済みましたが、借金が膨らんでいく一方でした。
給与や家賃の支払いがあるにも関わらず、診療収入がほとんどない状態でした。
結局、半年でその歯科医院は廃業せざるを得なくなりました。
患者が来なかった原因
前の歯科医院の評判が影響した可能性
居抜き物件では、前の歯科医院のイメージが引き継がれる場合があります。
これを覆すことは可能ですが、知らない人は前のイメージのままで来院を避ける場合もあります。
ビルの2階にあったことの影響
エレベーターのない2階以上の階数は、患者さんの入りに影響します。
賃料が少々高くても、1階を選ぶことが鉄則です。
競合相手が多かった
駅近くには人が集まりやすいため、競合歯科医院も多いです。
競合相手との差別化ができていなかったため、患者数が伸びなかった可能性が高いです。
立地選びは歯科開業における重要な要素の一つです。
準備不足やリサーチの不足は、成功への障害となることがあります。
このエピソードを通じて、立地の重要性とリサーチの必要性を理解し、成功に向けての準備を十分に行うことが重要です。
参考になる情報はこちらのブログ記事にも掲載していますので、ぜひご覧ください。
居抜き物件には魅力がありますが、注意が必要なポイントも存在します。
テナントと戸建て開業を比較しながら注意点をみていきましょう。
ビル診療所 vs 戸建て開業: メリットとデメリット
[topic color=”red” title=”ビル診療所のメリット”]
– 開業資金を抑えられる
– 交通の便が良く、集客に有利[/topic]
[topic color=”gray” title=”ビル診療所のデメリット”]
– 面積や構造に制約があり、スペース確保が難しい場合がある
– 繁華街のため、駐車場確保が難しい場合が多い[/topic]
[topic color=”red” title=”戸建て開業のメリット”]
– 思い通りの設計が可能
– スペースに余裕がある
– 地域に根差した経営ができる[/topic]
[topic color=”gray” title=”戸建て開業のデメリット”]
– 高額な開業資金が必要で、資金繰りを圧迫する場合がある
– 移転が難しい場合がある[/topic]
居抜き物件を利用してのテナント開業や、戸建てでの事業を始める場合でも、開業資金は不可欠です。
開業資金の必要性
歯科医院の場合、内装工事と医療機器には相応の費用がかかります。
特に内装工事は通常の工事に加え、複雑な配管工事が必要であり、床を上げる作業が不可欠です。
これにより、天井の高い物件でなければ開業できません。
運転資金の重要性
開業後、診療収入が安定するまでに数か月かかる場合が多いため、運転資金が必要です。
診療収入が入るまでの間、経費が発生しますが、それをカバーするための資金が必要です。
開業資金は、内装工事や医療機器にかかる費用など、慎重に計画する必要があります。
運転資金も合わせ、初期費用及び運転資金を合計して考えると、4000万円から6000万円程度が必要です。
この準備が、成功への第一歩です。
歯科開業の平均的な資金額を把握しておくことも大切です。
平均的な資金額についての詳しいブログはこちらをご覧ください。
[kanren url=”https://sikakaigyoseiko.com/2023/08/31/financialplan/”]
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