歯科医院の自費診療収入と確定申告
自費診療収入は、歯科医院経営において重要な収益の一部です。
しかし、確定申告において自費診療収入の計上時期や方法については、注意が必要です。
この記事では、事業専従者や治療の進行状況に応じた自費診療収入の計上について解説します。
事業専従者としての給与支給: 注意すべき要件
自費診療収入を計上する際、奥様や家族が医院の仕事を手伝うことがあるかもしれません。
この場合、事業専従者として給与を支給し、経費として計上します。
ただし、事業専従者として給与を支給するには以下の要件があります。
[aside type=”boader” flat=”yes”]
1.その納税者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
2.その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
3.その年を通じて6ヶ月を超える期間、その他納税者の営む事業に専ら従事していること。
[/aside]
このうち、[keikou]要件3の「専ら従事」に注意が必要[/keikou]です。
これは、毎日働くことが原則であり、他からの給与を受け取ることは制限されています。
例えば、週に1日だけ他の医院で働くことは問題ありませんが、週に2日や3日と増えると、納税者や税務署から疑念を抱かれる可能性が高まります。
また、奥様が医院の仕事を手伝う場合、その資格や専門性についても説明が必要です。
資格を持っていない状態で掛け持ちで仕事をする場合、税務署からの疑問が生じ、詳細な調査が行われることがあります。
自費診療収入の計上時期のポイント
自費診療収入の計上時期は、確定申告において重要なポイントです。
[keikou]基本的に、治療を行った日に治療費を請求するべきです。[/keikou]
これは、その年において収入すべき金額を計上する原則です。
治療をして支払いが後回しになる場合でも、その治療を行った日に未収金として計上します。
これにより、確定申告時に適切な収益を報告できます。
ただし、治療の進行状況に応じて治療費を分割して請求する契約がある場合、その契約に従い計上することも可能です。
例えば、治療の段階ごとに治療費を分割請求する場合、各段階での収入を計上します。この際、契約内容を書面で明記しておくことが重要です。
特に、自費診療収入の多い医院では、治療の進行状況や契約内容に応じて分割計上することで、税務調査にもスムーズに対応できます。
確定申告においては、計上時期や方法を明確に把握し、正確な収益の報告を心がけましょう。
歯科医院経営とお金のリスクへの対策
歯科医院を開業する際、お金の管理は非常に重要です。
収入の確保だけでなく、節税や将来への備えも考える必要があります。
ここからは、医院経営におけるお金のリスクへの対策について詳しく説明します。
収入と支出のバランスを取る: 歯科医院経営の基本
医院口座には多くの現金が入ってくるため、つい使ってしまいがちです。
しかし、決算書から得た利益が全て使えるわけではありません。
収益と支出のバランスを取ることが重要です。
使えるお金を事前に計算し、納税や設備投資に備えましょう。
例えば、毎月の利益が120万円の医院では、年間利益は1440万円になります。この利益から支出を計画しましょう。
税金の計画: 確実な納税と節税のためのポイント
利益から支払う税金を計画的に管理することも大切です。
利益の一部は源泉徴収税として差し引かれていますが、年間の所得税や住民税を計算し、納税予定額を把握しましょう。
税金を逐次支払うため、毎月の源泉徴収税額を医院口座に残しておくことがおすすめです。
資産の適切な運用: 医院の将来に備えるための戦略
四分の一の利益を定期積金に回すことは、将来のリニューアルや器材の購入に備えるための賢い選択です。
資産の適切な運用を通じて、医院の将来に備えるための資金を積み立てましょう。
生活費と貯金: 経済的な余裕を持ちながら節制する方法
月に一度、医院口座から個人通帳に移すお金を使って、生活費を組み立てます。生活費の中には将来の学費や保険料も含まれます。医院経営においては、生活費を節制し、経済的な余裕を持つことが大切です。
確定申告書から使えるお金を計算: 将来へのリスクへの備え
年間の所得税や住民税を計算し、借入金の返済なども加味して、医院の使えるお金を確認しましょう。
経済的な余裕を持つことは、将来のリスクへの備えとして非常に重要です。
結論として、医院経営においてお金の管理は慎重に行うべきです。
適正なお金の範囲で生活し、将来に備える貯金も増やしましょう。
経済的な余裕があれば、不測の事態にも対処できるでしょう。
お金のリスクへの対策は、成功する医院経営に不可欠です。
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