新規患者さんが入りやすい歯科医院とは?設計前に押さえておきたいポイント5選

歯科医院の設計について、多くの歯科医師が夢見る「隠れ家の高級寿司店のような医院」についてお話しします。確かに、そのような医院は理想的で魅力的ですが、最初からそのような医院を実現するのは難しいことがほとんどです。なぜなら、持ち患者さんがほとんどいない状況からスタートするからです。高級寿司店が新規オープンする場合、通常は修行した店から常連さんがついてきます。人々は食事を三度摂りますが、同じ寿司店に毎日行くことはまずありません。そのため、新しい寿司店にも元常連さんが訪れるのです。しかし、歯科医院は異なります。歯科医院に通う患者さんは、通常一つの医院で治療を受けます。そのため、新規開業時に持ち患者さんはほとんどいない状態からスタートしなければなりません。これは非常に厳しい現実です。

では、どのようにして新しい患者さんを獲得し、理想の医院に近づけるのでしょうか?

目次

ポイント1つ目:外観

歯科医院を選ぶとき、多くの患者さんが最初に目にするのは「外観」です。

初めて訪れる人にとって外観から受ける印象は、「この歯医者さんは信頼できる」「親しみやすそう」「入りやすそう」といった判断の大きな要素となります。

そこで、まずは歯科医院の外観を通じて新規患者さんが入りやすいと感じるためのポイントを詳しくご紹介します。

親しみやすさを感じさせる外観

親しみやすさを演出するためには、清潔感のある色使いや開放感あるエントランス、分かりやすい看板などが必要になります。

清潔感のある色使い

白を基調とした明るい色合いを使うことで、歯科医院らしい清潔感を演出できます。

加えて、木目調やアースカラーを部分的に取り入れると、やわらかさや温もりを感じられ、堅苦しいイメージが和らぎます。

親しみやすいデザイン

「歯医者さん=怖いところ」という先入観を持つ患者さんも少なくありません。

そこで、固いイメージになりすぎないよう、曲線を活かした設計やナチュラル素材の使用など、優しい雰囲気を醸し出す工夫が有効です。

覚えやすいシンボルマークやロゴ

シンプルで覚えやすいロゴやシンボルマークを設置すると、患者さんが視認しやすく、「ここの歯科医院だ」と一目でわかる目印になります。

また、ロゴに歯や笑顔のモチーフを加えると、歯科医院であることをアピールしつつ、親しみやすさを演出できます。

分かりやすい看板の設置

看板は、患者さんに「ここが歯科医院です」と知らせる重要な要素です。

医院名だけでなく、診療時間や診療科目を明記することで、通りがかりの人がすぐに「自分に合った診療が受けられそうだ」と判断できます。

文字を大きく、読みやすいフォントで表示することも大切です。看板広告については、以下の記事でも詳しく解説していますので、是非ご覧ください。

入りやすさを重視したアプローチ

初めての患者さんは、「入るまでの導線が分かりにくい」「扉の開け方が分からない」といったストレスを感じると、来院をためらってしまうことがあります。

地域の患者層を踏まえ、次のような設計を検討してもいいでしょう。

患者さん目線の設計

バリアフリー設計

段差を少なくし、スロープを設置するなど、車椅子やベビーカーの利用者も安心して訪れやすい工夫が大切です。

自動ドアの採用

ドアを押す・引くといった手間を無くすだけでなく、清潔感や高級感を印象付ける効果もあります。

ゆとりあるアプローチ

エントランス周りに余裕を持たせることで、患者さんが入りやすく、出入りがスムーズになります。

専門性をアピールする外観

「ここではこのような診療が受けられる」という専門性が外観からも読み取れると、患者さんに安心感を抱いてもらいやすくなります。

強みとなる診療科目の表示

小児歯科、矯正歯科、インプラントなどの専門性がある場合は、その診療科目を看板や壁面にしっかりと掲示しましょう。

「お子さんも通いやすい」「先進的な治療が受けられそう」と思ってもらいやすくなります。

専門医の資格をアピール

専門医の資格や認定医の表示があるだけで、患者さんの安心感は大きく高まります。

建物外観や入口付近にわかりやすく掲出し、「専門性が高い歯科医院」というアピールをしましょう。

最新設備の導入を示す

CTスキャンやデジタルレントゲンなど、最新の設備がある場合は外観や看板でアピールすると効果的です。

「先進的な治療が受けられそう」という印象につながり、患者さんの安心感と信頼感を高めます。

地域性との調和で親近感アップ

地域との調和を図りながらも、シンボル的なデザインで存在感をアピールすることも重要です。

周辺環境に溶け込むデザイン

地域の雰囲気を壊さないことも大切です。

たとえば住宅街なら落ち着いたトーンを意識して、商店街なら親しみやすいポップな要素を加えるなど、周辺住民のライフスタイルや好みをリサーチして設計に取り入れましょう。

地域のランドマークとしての役割

店舗やスーパーが並ぶ一角で少し目立つ位置にあるなら、あえてスタイリッシュな外観やひときわ目を引くカラーを採用するのも方法のひとつです。

地域のシンボル的存在になることで、自然と新規患者さんの目にも留まりやすくなります。

夜間でもアピールできる外観

日中だけでなく、仕事帰りなど夜間に通院を考える患者さんも多くいます。夜間でも安心して来院できるよう、照明やライトアップにも気を配りましょう。

ライトアップで安心感を演出

入口周りや看板、外壁などをライトアップすることで、夜道の暗さを緩和し、患者さんに安心感を与えます。

また、ライトアップにより視認性が高まるため、夜間でも歯科医院の存在をアピールできます。

看板の照明

看板に照明を組み込む、もしくはライトで照らすなどして、夜間でも目立つ工夫をしましょう。

文字が読みやすくなるだけでなく、医院の雰囲気を伝えるツールにもなります。

歯科医院の設備について

キッズスペース キッズルーム 歯科 開業

歯科医院を開業する際、設備は患者さんの快適さや信頼感に大きく影響します。

特にキッズコーナーとカウンセリングルームの設置は、患者満足度を高め、自費診療を増やす重要な要素です。

この記事では、これらの設備について詳しく考えてみましょう。

キッズコーナーの設置: 子供と母親の安心感を提供しよう

待合室にキッズコーナーを設けることは、子供を持つ患者さんにとって大きな魅力となります。

キッズコーナーはガラス面の部分に配置し、外から見えるようにしましょう。

中にはブロックや積み木、絵本、マンガなどのおもちゃを用意し、子供たちが楽しめる空間を作ります。

最近では、大型の液晶テレビを設置してアニメチャンネルを流す医院も増えています。

これにより、子供たちは待合室で楽しく時間を過ごすことができます。

子供が喜ぶ医院になれば、お母さんたちも安心して診療を受けに来てくれます。

キッズコーナーを導入する目的は、単に子供たちを喜ばせることだけではありません。

子供たちは虫歯ができやすいため、小学生は歯科医院を頻繁に訪れます。

そして、子供を連れてくるのは母親です。

お母さんたちは、医院に子供を連れて行く際に疑念や不安を感じることがあります。

医院の雰囲気やスタッフの対応、他の患者さんへの配慮などを心配することがあります。

しかし、キッズコーナーがあれば、子供たちは楽しく遊びながら待つことができ、お母さんも安心感を持ちます。

キッズコーナーの効果: お母さんの支持を得て患者数増加へ

歯科医院にとって、お母さんたちの支持は非常に重要です。

特に子供を持つ主婦層は、近隣の人々とのコミュニケーションが盛んであり、口コミの発信源となります。

お母さんたちが医院を気に入れば、家族全員を連れて診療に訪れてくれる可能性が高まります。

カウンセリングルームの重要性: 患者との信頼関係を築く場所

自費診療を増やすために、カウンセリングルームの設置も検討しましょう。

通常、治療内容の説明はユニットで行われますが、緊張している患者さんにとっては正確な理解が難しいことがあります。

カウンセリングルームは、患者さんと対話し、相手の目を見て話す場所です。

相手の目を見ながら説明することで、内容が伝わりやすくなり、信頼感を築きやすくなります。

特に金銭に関する話題は、テーブルの上で客観的に話しやすい環境が提供されることで、患者さんにとってもわかりやすくなります。

カウンセリングルームは、治療計画の説明や質問への丁寧な回答に利用され、患者さんとのコミュニケーションを強化します。

歯科医院の設備は、患者さんの満足度を向上させ、信頼感を築くための重要な要素です。

キッズコーナーとカウンセリングルームの設置は、患者さんにとって快適な環境を提供し、医院の成功に寄与するでしょう。

開業医院の設計において、患者さんの視点を常に考慮することが大切です。

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